メンタルヘルス不調者は身近にいます。メンタルヘルス不調を訴えて1ヶ月以上休職している社員がいる企業は6割以上。1000人以上の企業では、9割を超えるという調査結果があります。メンタルヘルス不調を訴える労働者は、近年増加傾向にあり、今後もその傾向は続くとみられています。今は、社内に不調者がいない企業でも、今後発生する可能性は高く、もしかするとすでに社員が罹患しているが、表面に出ていないだけかもしれません。心の問題なので、本人にしかわからず、どこでも起こりうる問題と認識しなえればなりません。

働けない、休職者の人員補充、復職時の余剰人員、不調者に対応する社員の疲弊。

長時間労働、セクハラパワハラなどの原因による会社の責任。労災が認定されれば、ほぼ間違いなく会社の責任を免れることはできない。平成8年にメンタルヘルス不調者の労災が認定され、会社の損害賠償が認められて以降、メンタルヘルス問題での訴訟リスクは高くなっている。

長時間労働がメンタルヘルスの原因のひとつと言われています。長時間労働と過労自殺との因果関係を認め、80時間以上の時間外労働があった場合には、仕事との因果関係があると、指針は定めています。セクハラパワハラ問題もその後のメンタルヘルス不調の原因となります。もちろんそれぞれ訴訟に発展するでしょう。まずは、発生させないことです。時間管理をしっかりして長時間労働によるメンタルヘルス不調のリスクを減らす。セクハラやパワハラは相談窓口や親身な相談によって、問題を解決していかなければなりません。

以前は、まじめな方がかかることが多いと言われていたうつ病。最近は、元気なうつ病という新しいタイプのうつ病が若者に増えています。対応がとても難しいのですが、コミュニケーションを多くとることで対応していくことになります。

社労士として、うつ病を治すことはできませんが、予防のためのアドバイス。罹患してしまった場合の社内規定などでのお手伝いをいたします。

メンタルヘルス不調により働けなくなった場合、労働者の健康も心配ですが、会社も対応しなければなりません。労働者を休職させるべきか否か。雇用を継続するべきか。代替要員の確保。休職後復帰できない場合には。復帰してきた場合の対応など。事前に決めておかなければならないことがあります。この規程がしっかりしていないと、完治していない労働者を辞めさせることができなかったり、無理に働かせて悪化し、企業の責任が問われるなどということもあるのです。